宮崎市の保育園コスモナーサリー

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お知らせ

うちゅうりょこう Vol.47より抜粋

保育に於ける散歩とそのねらいについて

  先日の保育参観にて子供たちの普段の様子をご覧頂いたばかりですが、大津市で起きた悲しい事故についての記者会見やそれに伴う保育園に関する様々報道を見ていると、『そもそも保育園に園庭があるのに、どうして危険がある園外に出てお散歩するのか?』『保育士は何をしているの?』という疑問がある方も少なくないのではと考え、今回は保育園に於けるお散歩についてご説明したいと思います。

 ともすると子供たちと遊ぶことが保育士のお仕事と勘違いされがちですが、普段の生活のひとつひとつ/ひとりひとりに保育士は『ねらい』を持って取り組んでいます。もちろんお散歩にも『ねらい』があります。まず一つ目は『感受性を育む』ということです。お散歩は園内では出会えないような草木、人、建物、動物、昆虫、社会性と触れ合い、感じたものすべてを吸収し、自身の感受性を豊かにしていきます。二つ目は『社会性を身に付ける』ということです。子供は保育士の姿をみて社会や人々との関わり方を学びます。例えば、地域の人とすれ違った時は挨拶をすることや横断歩道を渡る時は手をあげるなどのお手本となる行動を保育士が率先して行うことで、子供たちは社会を意識し社会に於ける個を意識するようになります。三つ目は『運動能力の発達』です。広場や園庭には無い遊具など、お散歩は子供たちの運動する意欲を高めます。また、お散歩は小さいときから正しい生活リズムを体に覚えさせるねらいもあります。お散歩をすることで、子供たちは適度な運動をすることができ、それが昼食時の食欲増進につながり、お昼寝もしっかりとることが出来ます。四つ目は『ルールを学ぶ』という事です。青信号だったら渡ってよくて、赤信号だったら渡っては行けない、道端に植えてある花はちぎってはいけないなどの常識を知ることが出来ます。五つ目は『四季に触れる』という事です。四季を感じる事は五感すべてを使います。また、昆虫採集や落ち葉拾いなど四季それぞれにたくさんの楽しみがあります。

 以上の様に散歩に於ける代表的な5つの『ねらい』の話をさせて頂きましたが、これ以外にも園児一人一人に『ねらい』を持って保育士は取り組んでいます。

 今回、大津市で悲しい事故が発生しましたが、全国の保育園で今後も継続して散歩に前向きに取り組めるよう、大切なお子様へ散歩がもたらす重要性のご理解そしてご支援を頂ければ幸いです。また、コスモナーサリーでは一般的な散歩ルールや交通ルールの他に、お散歩ロープを使用して集団で子供たちを歩かせない/お散歩で歩行する場合は子ども同士で手をつながせず、必ず保育士が手をつなぐ/カートを利用するなどの独自ルールを設け、子供たちに怪我や事故が起きないよう安全に配慮しています。